SSR 理論とは
2000年代に入り、「社会構成主義の考え方に基づく新しい組織開発」が生まれたことで、ふたたび注目されるようになった組織開発。
組織開発は、働く人と人との関係性に何らかの変化や相互作用を起こすことによって、組織やチームを活性化、成長させる取り組みを指します。チームビルディングは組織開発の手法の1つです。
VUCAの時代に企業が成果を出し続けるためには、激しい変化にもしなやかに対応していく必要があり、それには人と組織の継続的な成長が不可欠です。 私たちのチームビルディングプログラムは、人と組織の成長を促すために次の3つの視点が大事だと考えています。
人材力・Strengths(強み)とは
人の成長は、どんなに工夫しても一朝一夕には実現せず、それなりの時間がかかるということを、日々実感されているのではないでしょうか。でも変化の激しい時代にそんな余裕を持てないとすれば、成長するまでに時間がかかるということを前提に、どのようにして成長を促し業績に結びつけていくかが大事になります。そのためには、個人の強みや長所を最大限に活かすことが最大の近道なのです。なぜなら強みや長所を活かせる場面では成果は上がりやすく、逆に弱みや短所をあえて克服する必要のある場面では、望ましい成果は上がりにくいものだからです。私たちは、チームにおいて自分とチームメンバーの個性をよく知っていること、そしてそれを承認することから、「人も組織も成長し、望む成果を出せる組織づくり」がスタートすると考えています。メンバーにはどのような強みがあるか?メンバーはどのような思考行動の特性を持っているか?メンバーの強みや長所を活かすとしたら、組織図のこのポジションには誰が最適か?と考えるのです。
組織力・Structure(構造)とは
お互いの強みや長所を知って活かそうとすると、そもそもそれは何のためか、何を実現したいためにやるのかというベクトル合わせが必要になります。ベクトル合わせとはつまり、会社のビジョンやミッションというものに社員が共感している状態をつくることにほかなりません。立派な経営理念やビジョン、行動指針があっても、たとえ毎日唱和していても誰も共感していないという状態なら、会社が掲げる目標を達成することはおそらく難しいでしょう。組織強化のよくある取組みに人事評価制度などの構築・刷新があります。もちろん組織にとって必要不可欠なことですが、それを整備すればやる気がアップし、モチベーションが維持できると考えて着手するのは、結果として制度依存を引き起こし、人間の多様性や複雑性を考えるとむしろ問題をさらに複雑にしてしまいます。人事評価制度をつくる前に、会社が目指すビジョンにフォーカスしてエネルギーを集中させるためのやるべきことがもっとあると私たちは考えています。
関係力・Relation(関係)とは
メンバーそれぞれの強みや長所、個性を知り、メンバー間でベクトル合わせをするためには、それぞれが考えること、感じていることを話し合う必要があります。でも、話し合えばお互いを深く理解し合えるというものではありません。対話を通じて互いに理解し、良い影響力を与え合う関係をつくることが、さらにお互いを成長させ、結果として成果を出すことに繋がります。そのためには、コミュケーションの取り方を全員が学び、お互いにやる気と能力を引き出すスキルを身につけ実践することが不可欠となります。
人の成長には、「未知だったことを知る」、「理解する」「行動する」「成果を出す」というプロセスがあります。なので、人を育てるためにはこの「プロセス」を確実に歩み定着させる仕組みが必要です。行動を継続して、当たり前のように行っていくうち(習慣化)に人の能力が向上します。人の成長がチームの成長となり、そして組織全体の成長に繋がっていくとき、私たちコンサルタントが関わらなくても自走し自然に成長し続ける個人、チーム、組織となるのです。
私たちは、上記の3つの視点のどれが欠けても、「人も組織も成長し、望む成果を出せる組織」はつくれないと考えています。ビジョン・目標を達成するには(組織力)個性豊かな人材力が必要であり、人材力を活かそうとすればやる気と能力を引き出すコミュニケーション(関係力)が必要になり、組織がベクトルを揃えてエネルギーを集中させ成果を上げれば上げるほど人と人との結びつき(関係力)は強くなります。このように3つの力は常に影響を与え合っています。そして連鎖しながら、まるで渦巻きのように人と組織の成長に応じてより高いレベルへと進んでいくのです。3つの視点から永続的な人と組織の成長ループを考える、これがSSR理論です。
ご相談等・お問い合せはこちら078-381-6260受付時間 9:00 - 18:00 [土日・祝日除く]
メールお問い合せ